レンタルボックス完全ガイド ≫ 事業開始に向けた事前リサーチ
レンタルボックス事業を始める前に、土地の特性を見極め需要をはかることは成功への重要なポイントです。見極めて不利な部分があれば対策をとり、有利な部分はさらに伸ばしていく。それがビジネスの基本で、レンタルボックス事業も例外ではありません。
どのようなターゲット層に、どのような収納を提供するか、どのような点がセールスポイントになるのか。「ターゲットを定める」、「需要と供給のリサーチ」、「土地の特性に合わせてレンタルボックスを調整」の3点を、それぞれ順に解説します。
レンタルボックスを設置して漠然と契約者を待つのではなく、事業を始める時点でターゲットを設定しておくことは重要です。
まずは、レンタルボックスの利用者をイメージしてみましょう。設置予定地付近を通るのはどの辺りに住んでいる人が多いでしょうか。ファミリーが多い地域ですか、それとも、単身者の多い地域ですか。近くにはどのような会社がありますか。
ターゲットがレンタルボックスに収納する物は、どのようなものが考えられますか。それをターゲット層の居住地からの距離と掛け合わせたときに、「より便利に」使いたいニーズ、または、「より安く」使いたいニーズのどちらかにマッチしますか。または、バイク収納としてはどうでしょうか。(バイクは自宅近くに収納したいものの代表かもしれません。)
一般的には、ターゲット層の居住地から距離が近ければ、より利便性が重視される傾向にあります。一方、距離が離れた場所であれば、何度も出し入れをおこなうことは考えず、大きな物や季節用品などの出し入れの頻度が少ない物を、できるだけ安く収納したいというニーズが高くなります。
特に、できるだけ安く出し入れ頻度が少ない物の収納場所を借りたいニーズをつかむと、長期利用者によって事業が安定します。
また、レンタルボックス用コンテナには、部屋数(部屋ごとの床面積)の異なる様々なタイプがあります。予定の土地にはどんなレンタルボックスがニーズにマッチしそうですか?
次に、予定地周辺のレンタルボックス事情を調べてみましょう。
近隣を歩いたり、街道を車で走らせたり、また、インターネットでも検索したり、レンタルボックスの集合サイトで調べる方法もあります。
調べる範囲ですが、設置予定地から5~10km圏内、および、ターゲット群の居住地から5~10km圏内くらいは調べておきたいところです。(ターゲット群から東に5kmも西に5kmも、同じ5kmです)また、ターゲット群の利用する同じ街道沿いの少し遠い場所なども、調べておいて良いでしょう。
地域的にレンタルボックスのニーズがあり投資に対してのリターンはどうか、競合事業者がいるのか、競合事業者の状況はどうなのかなど、事業を始める前のリサーチと検討が成功への第一歩です。
該当地域のレンタルボックスやトランクルームなどの需要と供給状況、相場価格などをリサーチしてください。また、収納サイズによって、供給が過剰なサイズ、不足しているサイズはありますか。
地域によっては、競合事業者がいない代わりに需要がない可能性もありますので、それらを見極めることも重要です。
周辺地域のレンタルボックスが、どれくらいの価格で貸し出されていて、どれくらいの稼働率なのかが分かれば、そのレンタルボックスからどれだけの売上が生み出されているのか計算できます。
事業計画や事業戦略に役立ててみてください。
レンタルボックス事業を営む上で最も多いトラブルは、近隣住民との騒音トラブルです。特にレンタルボックスのシャッターの開閉音、バイク収納用コンテナにおける利用者のエンジン音は、騒音トラブルの大きな比重を占めます。
しかし最近は、静音シャッターを備えたレンタルボックス用コンテナの開発を進めているコンテナ工場も増えてきました。設置予定地が住宅地に近い場合、騒音トラブルへの対策として静音シャッターを備えたレンタルボックス用コンテナを選ぶことをおすすめします。バイクについても事前に近隣に理解を得ておくなど、回避策を講じることは重要です。
機能面だけでなく、色についても考えてみましょう。
コンテナの色はグレーが基本かと思いますが、着色して人目を引いたり、印象作りやブランド作りに活用することもできます。
派手な色で人目を引く、周辺環境に調和した色などでコンセプトを敷くなど、目的に合わせて色を決めるのも良いでしょう。低価格を連想させる色で安い賃料の収納を求めるターゲット層の意識を向けさせたり、逆に高めの賃料設定にする場合は、外観を高級そうな色に塗装したレンタルボックスで価格イメージのギャップを埋めるなど、色選びで様々な効果を引き出すことが出来ます。
コンテナへの塗装は、コンテナ工場で対応してもらえる場合があります。(量産時に同じ色で塗装してもらえる工場と、1本の注文でも塗装してもらえる工場があります)コンテナ工場で塗装ができない場合、工務店などに依頼し、設置の際に塗装をしてもらいます。
建物の影で陽当たりが悪い、幹線道路沿いで騒音が激しい。
こういった住宅に向かない立地は、レンタルボックスには最高の立地です。日光が当たらなければ内部が高温になりにくく、幹線道路沿いであれば車での利用がしやすいため、レンタルボックスとして有利な立地といえます。
立地条件を満たせば、これらの土地は好立地です。
レンタルボックスの設置予定地の周辺をしっかりリサーチすることは大切です。ターゲットを定めて需要と供給状態を見極めてください。また、トラブルなく運営していくためにも、事前のリサーチが役立つでしょう。