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レンタルボックスと建築基準法

今、レンタルボックス業界で起きていることをご存知ですか?
空き地にコンテナを置いて貸し出す。自由に行うことが出来ていたレンタルボックス業界に、ある日、行政からひとつの通達が出されました。

随時かつ任意に移動できないコンテナは建築物に該当する。
建築基準法に適合しない事項がある場合には、違反建築物として扱う。

レンタルボックスは建築物の扱い

今までレンタルボックス(コンテナ倉庫)は、空き地に置いてある物という認識(実際にはグレーな状態)でしたが、この通達により、建築物としてみなされることになりました。
ただの物であれば自身の敷地内に自由に置くことができましたが、建築物であれば建築基準法により、設置・建築できる場所が限られますし、基礎の設置や構造上の強度などの条件も課せられます。
そして、建築基準法を満たしていないレンタルボックスは違反建築物として、行政からの是正指導の対象になりました。

実際の国土交通省からの通達文章を紹介させていただきます。

<コンテナを利用した建築物の取扱いについて(技術的助言)※抜粋>

最近、コンテナを倉庫として設置し、継続的に使用する例等が見受けられる。このような随時かつ任意に移動できないコンテナは、その形態及び使用の実態から建築基準法第2条第一号に規定する建築物に該当する。
すでに設置されているコンテナを利用した建築物について、建築基準法に適合しない事項がある場合には、違反建築物として扱い、是正指導又は必要に応じ是正命令されるようお願いする。(※国住指第2174号)

<コンテナを利用した建築物に係る違反対策の徹底について ※抜粋>

コンテナを倉庫として設置し、継続的に使用する物件等において、建築基準法の構造関係規定や用途規制への違反が疑われるものが依然として見受けられ、これらの物件においては、地震等に対する構造耐力不足や周辺の住環境への悪影響が懸念されます。

すでに設置されている又は設置されようとしているコンテナを利用した建築物について、建築基準法に適合しない事項がある場合には、違反建築物として扱い、是正指導を徹底すること。特に、コンテナを複数積み重ねる場合には、地震発生時等に転倒し、周囲に危害を及ぼすおそれがあることに留意すること。

コンテナを倉庫として設置し、継続的に使用する物件等は、その形態及び使用の実態から建築基準法第2条第1号に規定する建築物に該当する。(国住安第5号)

今までは見逃されていた建築基準法を満たしていないレンタルボックスに対し、年々、是正指導が厳しくなり、行政から撤去を求められるような事例も増えてきました。

コンテナ倉庫(レンタルボックス)の具体的な違反事項例

建築基準法第6条(建築物の建築等に関する申請及び確認)違反
継続的に倉庫として利用し、随時かつ任意に移動できないコンテナは、建築基準法第2条第一号に規定される「建築物」に該当するため、建築基準法に基づく確認申請が必要となり、「確認済証」がないと設置できません。

建築基準法第20条(構造耐力)違反
法律に適合した基礎を設けるなど、地震その他の振動や衝撃に対して、建築物としての安全性を確保するための基準を満足しなければなりません。
コンテナそのものについて、コンテナには2種類あり、船に積まれている通常のコンテナ(ISO海上コンテナ)ではこの基準を満たすことが出来ません。建築用のコンテナである必要があります。
また、レンタルボックスを地面にそのまま置いただけでは基準を満たすことが出来ません。適切な基礎を敷き、コンテナと基礎とを適切に緊結しなければなりません。また、コンテナ同士を連結する場合、こちらの接合部についても必要な基準を満たさなければなりません。

建築基準法第48条(用途地域等)違反
都市計画で定められた市街化調整区域はもとより、用途地域内の建築制限により第一種低層住居専用地域、第二種低層住居専用地域及び第一種中高層住居専用地域では、原則としてコンテナを倉庫として設置することはできません。

これらのような違反に該当するレンタルボックスが、行政からの是正指導に対象になります。

横浜市における違法コンテナ倉庫の是正事例

第1種低層住居専用地域内、建築協定区域内にて、レンタルボックスとして利用者を募集していた二段積みのコンテナ倉庫に対し、除去命令が出されました。

レンタルボックスは建築物という見方から建築基準法が適用され、「倉庫の建築が出来ない第1種低層住居専用地域」、「構造規定等に適合せず」、「建築確認の無し」の3つの違反とされました。

結果、是正指導として、レンタルボックスの除却命令と、除去されるまでの間の使用を禁止する命令が発令され、こちらのコンテナは撤去されました。

レンタルボックス業界の法対応への動き

これらの行政の動きに対し、レンタルボックス業界の取った対応は2種類ありました。

行政の指針に沿い、建築物として再度、設置・建築して対応

まずは用途地域を確認し、倉庫を建築できるかどうかの確認が必要です。また、コンテナそのものが建築確認に対応できるものかどうか。レンタルボックスのコンテナが建築用でない場合、新しく建築用コンテナのレンタルボックスを用意する必要があります。
土地とコンテナが法に対応できたら、あとは建築基準法に従い、新しくレンタルボックスを設置します。

建築物でなく、車両にしてしまう対応

随時かつ任意に移動できないコンテナは建築物に該当する。逆に言えば、レンタルボックスがいつでもすぐに動かすことが出来る状態の物であれば、建築物として見なされません。そこでとられたのが、レンタルボックスをトレーラーに載せて車両扱いにしてしまう方法です。

まとめ

現在、建築基準を満たしていないレンタルボックスは対応をおこなう必要があります。行政から除去命令が出される前に、設計士やコンテナ販売業者に相談してみてください。

関連リンク

≫ レンタルボックスの建築確認申請(申請を省略できるケース)